Rose of blood *short story*
*****


今日はお見送りをする為に、シエルと2人でお城の門の前に来ている。



「先生、本当に今までお城の専医をしてくれてありがとう」

『シエル様やローズ様、皆様のところで働くことができて本当に幸せでした。こちらこそ本当にありがとうございました』

『診察の日以外でも良ければローズの話し相手としてきてもらえないか?』

「是非来て欲しいわ!!そして町や病院での色々なお話を聞かせて!!」

『シエル様、ローズ様…本当に感謝してもしきれません……ありがとうございます』



深々と頭を下げる先生の肩に手を置き、頭を上げるようにお願いした。



『ジャスティン、お父上に無理を言って申し訳なかったと伝えてくれ』

『シエル様…そのような勿体無いお言葉……父に話を通して下さりありがとうございました』

「皆さんに宜しく伝えてね」

『はい』




先生は最後にもう一度深くお辞儀をすると、馬に乗り町へ馬を走らせた。


先生のお父様は始めはいい顔をされなかったが、最後は承諾してくれた。


リオとルナが大きくなるころには、身分は関係なく愛するもの同士が一緒になれるような国にしたい。


シエルと一緒ならそんな未来も遠くはないと思った。





fin.
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