Rose of blood *short story*
「幸せな姿を見せたいと思う人に見せることが出来ないことが、悲しくてしょうがないの…」

『父上と母上のことか?』

「後…異世界の育ててくれた両親」



俯きそう呟くと、ジョシュお兄様の大きな手が座っている私の頭の上にのせられた。


ジョシュお兄様はいつだって、誉めてくれる時も、慰めてくれる時もこうやって頭に手をおき優しく撫でてくれる。



『ローズの思いが大切な人たちへ届けばいいな』

「うん…」

『きっと届くよ』



ジョシュお兄様の温かい言葉を聞いて涙が溢れてしまった。


私は流れた涙を拭い、再びドレスに視線を戻した。






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