Rose of blood *short story*
『さっき父上から何を預かったんだ?』

「携帯だよ!!どこにいても連絡が取れるようにってくれたの」

『携帯?』

「ウェルヴィアにはないもんね。携帯電話は電波の入るところなら、いつでも話ができるんだよ。便利だよね」



俺たちは普段は使い魔を使って連絡を取り合っている。


携帯はそんなようなものなんだろうか。


ローズの説明を聞いても半分は分からない様な感じだ。



『何処に連れていってくれるんだ?』

「ウェルヴィアにないものを食べに行きましょう」

『あぁ、楽しみだ』



手を繋いでいるローズは嬉しそうに歩いている。


今までずっと我慢させていたんだなと思うと申し訳なく思った。


ローズは変に物分りがいいからか、俺が困るようなワガママは言わない。


もっと言ってくれてもいいのになと思う。






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