Rose of blood *short story*
メニューを一生懸命見ながら選んでいるローズが可愛くて、思わず笑ってしまった。



「どうして笑ってるの?」

『可愛くてつい、ね』

「どうしてそう、恥ずかしいことをさらっと言うの」

『嫌だった?』

「嬉しいけど恥ずかしいのっ」



顔を真っ赤にしたまま注文しているローズ。


店員の男性はそんなローズに見とれているようだ。


そうとも知らずに笑顔で注文しているローズに呆れてしまった。


本当に鈍い。



「シエルお箸使えないよね?」

『あぁ、それなら心配要らない。得意ではないが問題なく使えるよ』

「そうなの!?ウェルヴィアではお箸を使わないからてっきり使えないと思ってた」



ウェルヴィアには箸はない。


だが、こちらの世界に来て食事をしているものたちが使っているのを見て覚えなければと思った。


口が裂けてもローズには言えないが、箸を使えるようになるまで結構練習した。


見ているよりも難しくて驚いた。






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