欲望チェリ-止まらない心
「これ…ごみ捨て場の裏にあったよ…」


その子が持っていたのは、ぐしゃぐしゃになったアンケートの束だった。


「あ…」


あたしはその子に駆け寄った。


「あ…ありがとう…」


アンケートを受け取りながら…


ホッとしたあたしは泣きそうになっていた。


「ううん。じゃあ、また明日…」


その子は廊下を気にしながら走って行った。


多分…萌菜ちゃんの目を気にしてたんだろう。


もしかしたら、アンケートを捨てたのも萌菜ちゃんたち…


ううん、とにかく無事に見つかって良かった。


あたしはアンケートを鞄にしまいながら


しかし何かを忘れている気がしていた。


「あれ…なんだっけ…」


え~っと―――…












そして



「!!!」



あたしは思い出したと同時に生徒会室に走った。





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