欲望チェリ-止まらない心
あたしの胸がジ~ンとする。



「ひー君の汗だよ?臭い訳ないじゃん!」


そんなひー君にあたしは必死に訴えた。


ひー君の汗が臭い訳ない!!


「そ、そう?」


「うん!そうだよ!むしろいい匂いに決まってる!!」


「……………」


大きく頷くあたしに、ひー君は若干照れながらも優しく微笑んだ。



「それよりひー君、ありがとね?」


「ん?なにが?」


「だからその…体育の時先生に…」


「あぁ。あれね?」


恥じらうあたしにひー君は思い出すように空を見上げる。


夕闇の中でひー君の綺麗な横顔にあたしの胸はドキドキしていた。


「なんで知ってたの?」

「ん?」


ひー君は上げた顔をあたしに向ける。


「もしかして、あたしの事…」


あたしの事…見てたの?


そんなあたしにひー君は小さく微笑んだ。


「それは…ひみつ」


そう言うと、ひー君はハンドタオルをたたんで鞄に入れた。


「タオル、ありがとう。洗って返すね」


「え?いいよ!てかヤダっそのまま…」


むしろひー君の汗付きならそのまま…!


「それはダメ。汚いから」


そんなあたしにひー君はきっぱりとそう言った。


ガーン…



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