欲望チェリ-止まらない心
二人きりになった放課後の廊下。
矢嶌紅はあたしを冷めた目で見た。
「類は友を呼ぶって感じだな」
「………!」
矢嶌紅はそれだけ言うと、さっさと生徒会室に向かって歩き出した。
類は友を……
「っ……」
あたしは一度唇を噛みしめると矢嶌紅の背中を追って歩き出した。
放課後の生徒会室はいつになく気まずい雰囲気だ。
矢嶌紅はいつもに増して不機嫌な顔をしている。
「あの…」
あたしは重い口を開いた。
「さっきは…ありがとうございました」
まだちゃんとお礼、言ってなかったから。
あたしはチラリと矢嶌紅を見た。
「……………」
矢嶌紅は仕事をしていた手を止めた。
「お前見てると苛々する」
「………え?」
「嫌な事ぐらい自分で言えねーの?」
「!!」
矢嶌紅はそれだけ言うと、また仕事を始めた。