それでも君を。




「ちゃんと話さなきゃなあ」




その日は一日、

授業が身に入らなかった。




きもちはいつも、上の空で。

気付けばいつも

教室内で、廊下で、下駄箱で

晃ばっかり見ていた。




放課後になって、

今日初めて晃と口をきいた。




「外、いこっか」




私がそう言うと、

晃は黙ってうなずいた。



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