夜叉の如く舞う姫
~?side~

俺は不逞浪士が女に声をかけているのを見て後を追っていた。

害があれば捕縛して副長にしらせなければいけないからな。

総司はやる気が全くないようだから俺がやるしかあるまい。


女は怯える様子もなくむしろ恍惚の表情を浮かべ間合いを詰めた。

「さようなら!」


一気に男達の懐に飛び込むと宣言するように叫ぶ。


「我流忍剣殺法、千斬華。」


女は浪士組の幹部でも見切れるかどうか怪しいくらいの速さで男達を切りつけていく。

殺すため、とは言ったが明らかに死んだと分かって尚、切りつけ続ける。

まるでそれが性だと言うように切りつける。

女は男達を惨殺した後、死体には目もくれず路地に入っていく。
流石に総司もやる気がでたのか2人で後を追う。

「いつまで隠れているの?」

これには2人で驚いた。
俺たちは完全に気配を消していたはずだ。

だが仕方ない。
俺たちは女の前に姿を現した。


~?side~
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