あの空模様 ③



冷たい霧雨

夜が近くなるとともに
校舎からは
人影が消えはじめる


買ったばかりの傘を傍らに
校庭を見ていた
二階の教室から見える
二つの傘



最近
彼の隣にあのコがいる
噂がある訳じゃない
でも
私にはわかる

あのコも彼が好き


影が消えるまで
二つの傘は
向かいあったまま―

心がざわめく

見たくないのに
視線が動かない
身体が動かない


心がざわめく
私に生まれる 冷たい感情


いつも思ってた
彼があのコに
話し掛けるたびに
笑顔をみせるたびに

すごく
苦しくて 
悲しくて
あのコを嫌いになって・・・

そんな自分が嫌いだった



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