「うちらのコンクール」
部活
「早く起きなさぁい!」
うぅん・・・。眠い。もぉ朝かぁ。
って今何時!?
「あぁぁぁ~!!」
時計を見ると7時をまわっていた。
だいたいいつも部活の朝練が
7時半からあるので10分には出ないと
遅刻してしまうのだ。
「もぉ!早く起こしてよぉ!!」
そんな事をお母さんに言いながら
素早く準備をする。
「朝ごはんはぁ?」
「食べますって!!」
パンをくわえて家を飛び出した。
これで3年目になるが
朝だけはどうしても弱い。
こんなことも日常茶飯事だ!

はぁはぁと息を吐きながら
やっと学校についた。
「たまにはもっと早く来なさいよ!
林檎!」
友達にそんなことを言われた。
そしてうちの名前は鈴宮林檎!
吹奏楽部に所属する高校三年生だ。
ちなみに楽器はクラリネットを担当。
「これでもはやいんです!」
自慢げに胸を張って言う。
「はぁ。まったく林檎ってば。」
大げさにため息をつくこの女の子は
うちの親友!(自称)
金子美鈴。トランペットを担当している。
小学生からの友達だ!
「とにかく遅刻だけはしないでね!」
そういうと自分の席に戻って行った。

これから始まるのは「全体基礎合奏」といって
みんなで基本的な練習を確認し合いながら進めていくのだ。
「ロングトーンします!」
うちがそう指示を出すとみんな息を合わせて
はい!と返事した。
なぜうちが仕切っているかというと
コンミス(コンサート・ミストレス)だからなのだ!
と言ってもわかりずらいと思うが
いわゆるサブリーダーのようなものだ。

打楽器のスネア(小太鼓)とバスドラ(大太鼓)の
刻みに合わせて丁寧に一音ずつ伸ばしていく。
うちはみんなの音が重なり一つの大きな音になるときが
一番好きなのだ。

全ての基礎を終えるとうちは再び指示を出す。
「合奏を終わります。
片づけて終わりにしてください!」
そしてまた はい! と
元気な返事が返ってきた。

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