法螺吹きテラー


残りの教室を周り、
いよいよ、体育館へ戻る。

この校舎と体育館は別の建物だから、
そっちへ行くには、一度外に出る事になる


つまりは先輩の言った、
次に建物から出る時だ。


南葉は駆け出すように出口へ向かった。


建物から出る前に、
やっぱりまたこっちを振り向き、
そして、手を振った。

俺たちへ、なのか。
それとも他の誰かへ、か。


その顔は、小さい子供のように、
無邪気すぎる笑顔を浮かべていて、
そして正面に向き直ると、走り出した。


俺はそれを、ただ見ていただけ。


何故だか、目が離せなかった。

彼があまりにも、幸せそうだったから。



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