法螺吹きテラー
部活が終わり、全員帰り支度を始めた。
俺は今日、自転車で来ているから、
校門から出ていく友達と手を振り合い、
校舎裏の自転車置き場へと向かっていた。
「……うわぁ……」
誰の仕業だ。
鍵を開けようとして気が付いた。
前輪も後輪も、パンクしている。
俺の家は結構遠く、
自転車かバスでの通学だ。
運の悪い事に、今日の最終は
すでに出てしまった後だろう。
……迎えに来てもらうか。
家へ電話をかけようと、校舎へ戻った。