法螺吹きテラー


……戻ったけれど、
昇降口のドアは既に閉められていた。

外にある電話ボックスは、
一番近いのが、今日先輩の言っていた所。

他のは木の側にあって虫が大量発生したり
何故だかガラスが割れたまま放置されたりしている。


……しょうがない。


使われない理由なんて知らないけれど、
きっと『校舎内の方が使いやすいから』とかだろう。


そうなんだと信じて、
俺は校庭の端の方へと歩き出した。





場所柄か、他のボックスと比べて
使われていないにも関わらず、
目立ったひび割れなんかは無い。


暗い中に浮かび上がっているのが、
不気味と言えばそうだけれど、
別に普通の電話ボックスだ。

街灯の下に人が立ってるより、
ホラー度は低いだろう。


ドアを開け、中へと足を踏み入れた。



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