法螺吹きテラー
とりあえず電話代が勿体ない。
だから先輩に促され、
俺はようやく覚悟を決めて外へ出た。
そして先輩の話が始まった。
話は続く。
「残された男子生徒は、
お前の所為だと周りに責められた。
元を辿れば、
親や教師にも非はあるだろうにね。
そして少年もまた、
違う場所から飛び降りてしまった。
本当は屋上がよかったらしいけど、
厳重に封鎖されて、入れなかったそうだ。
今でも二人は別々の場所で、
お互いを探しているんだって。
だからここで男が電話をかけると、
声を聞いて、恋人じゃないかと
少女は顔を確かめに来るそうだよ」
校門まで歩きながら話して、
終わったところで丁度、迎えが来た。
「それじゃ、失礼します」
「ああ、また明日」