法螺吹きテラー


とりあえず電話代が勿体ない。

だから先輩に促され、
俺はようやく覚悟を決めて外へ出た。


そして先輩の話が始まった。



話は続く。



「残された男子生徒は、
お前の所為だと周りに責められた。

元を辿れば、
親や教師にも非はあるだろうにね。


そして少年もまた、
違う場所から飛び降りてしまった。

本当は屋上がよかったらしいけど、
厳重に封鎖されて、入れなかったそうだ。


今でも二人は別々の場所で、
お互いを探しているんだって。


だからここで男が電話をかけると、
声を聞いて、恋人じゃないかと
少女は顔を確かめに来るそうだよ」



校門まで歩きながら話して、
終わったところで丁度、迎えが来た。



「それじゃ、失礼します」

「ああ、また明日」



< 59 / 95 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop