法螺吹きテラー
車に乗り込み、
走り出してから気が付いた。
……嘘だと聞いていなかった。
まあ、別に害は無いだろう。
例え本当だったとしても。
無事に帰宅し、
普通に過ごし、
そして普通に睡眠をとる。
そうして変わらない一日を終わらせようとした。
なのに隣のマンションから、
何かが落ちる音がする。
繰り返し、繰り返し。
ドスン、と
何か重い物が落ちて、
そしてビチャリと何かが飛び散る音。
……連続自殺……とか無いよな。
物凄く嫌な想像をして、
カーテンを少しだけ開けて、外を見た。