法螺吹きテラー
「……あれ?」
気が付くと俺は教室にいて、
机の上につっぷして寝ていた。
目覚めたのは、
携帯が鳴ったから。
見てみれば、
表示されている名前は
『安藤先輩』
……俺が携帯を持った時から、
先輩の番号を、なんとなく登録していた。
解約はされていないらしく、
呼び出し音が鳴るだけだけど、
いつか繋がりはしないだろうかと。
だけど先輩の契約していた会社は、
もう何年も前にPHSのサービスを終了した。
呼び出し音さえ聞けなくなって、
だからかかってくる事など、ありえないのに。