STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
「あぁ。

汐音が頑張ってくれた
おかげで、決定的な証拠は
山のようにそろってるし。

裁判を起こすわけじゃなし、
スキャンダルとしてはもう
充分だ」



「そ、そっか――…」



何を動揺してんのよ、汐音。


わかり切ってたことでしょ、
いつかこういう日が
来るってことは。



(言えるわけない。

早いとか――ましてや、
もう少しこのままでいたい
なんて――…)



あたしにとって、それは禁句。



だからあたしはグッと
息を飲んで動揺をムリヤリ
押さえ込み、頷いた。


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