君の隣
目が覚めたのは8時30分だった。
外はもうすっかり暗くなっている。
「暑い…。」
制服を脱いでリビングに下りる。
お姉ちゃんは塾に出掛けてしまったらしい。
オムライスのラップを取り、レンジにかける。
あっためている間、ため息をついてみたけど
むなしさと悲しさが襲ってくるだけだった。
「いただきまーす…。」
そう言っても誰も応えてくれないのだけど。
急に寂しくなって、誰かに会いたくなってケータイを開いた。
ディスプレイには《新着メール1件》と表示されている。
「誰だろ。」
受信ボックスを見ると見慣れないアドレスがあった。
「ん~?」
恐る恐る開いてみた
《こんばんは~、崎原だよ。分かる?》
崎原?
さきはら?
サキハラ?
崎原あああああああああああ?!?!?!?!?!?!
さ…崎原って…
滉平さん??
でもうちの学校には崎原が3人いる。
き…聞いてみよう。
《え…えっと、滉平さんですか?》
オムライスをテーブルに置きっぱなしで少し冷めてきたけど
そんなことどうでもよかった。
するとまた、ケータイが震えた。
《そーです、崎原滉平です。いきなりごめんね、》
やっぱり~!!!!!!!!!!
なんでなんでなんで~?!?!?!?!
