庶民♀♂御曹司【短編】


「結衣さん、お上手ですね」


「そうですか?
うち、まる子が…母があんまり上手くなくて」




結衣は笑うと、母親を思い出し、下に俯く。



「結衣さん…?」


「……今更だな…って。母親のこと、後悔しても意味ないし。

まぁ、恨んだわ恨んだんで…最期は…ちゃんと、お礼…したかったな…って……」



結衣は、チョコを溶かしていた手を止め、天井を見つめる。



「ダメですね。
光芽に…愛込めなきゃイケないのに……」


< 47 / 56 >

この作品をシェア

pagetop