【BL】風鈴が鳴る頃に[短編]
うん、よろしく。
なんて言い返す余裕なんてなかった。


さっき鳴っていた風鈴の音は、この事を既に予感していたのだろうか。


心臓を握りこまれるような痛み。もう一度君に会いたいと願ったあの時の気持ちを、初めて恨んだ。


こんな形で真実を知ることになるのなら会いたくなかった。綺麗なまま、心惹かれたあの時の気持ちのまま、眠らせておきたかった。




ーーいつの間にか、掌が白くなる程握りしめていたらしい。少しずつ指を開くと薄っすらと爪の痕が残った。
外側から与えた痛みは、時に冷静な心を取り戻すきっかけになったりする。


頭がクリアになってきた。またあんたに会えたこと。これを単純に"チャンス"と捉えることは出来ないだろうか。



俺もこのまま大人しく、お前とただの同級生をやるつもりはない。どうせだったらあの日聞けなかったあの質問も、今なら聞けるってことじゃないか、覚悟しろ。


ーーこれは宣戦布告だーー




風鈴の音。
それは何かを予感させる。



何を予感させるのか、予想すらできないけれど…。






【 to be continued……? 】

< 30 / 31 >

この作品をシェア

pagetop