エールミー!


昔のことを思い出すとさらに気分が悪くなってきた



電車がどんどん減速してついにとまる。
ドアが開く…


沢山のひとがドアに向かって足を運び、
人の波ができた




やばい…抵抗できない…どんどん押し流される…

体の重心が波の進行方向に倒れる



「……!」




出口に出そうになった瞬間、
なにかに手首をがっしりつかまれた


そして思いっきり引き寄せられる
人のなみに抵抗する方向へ…

大勢のなかで、私だけを見つけてくれた。
私の本当の姿に気付いてくれたみたいな、

そんな気がした


我ながら、なんて莫迦な発想・・・




ドアが閉まるおとがして、電車はゆっくりと動き出して加速する







「………」





…心臓の音がする

顔をあげてみる





「……、」




_____っ!?


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