エールミー!
「俺、沙田ちゃんが好きだ。
もし、沙田ちゃんが他の誰かが好きでいても、
俺はそいつを越えてやる。
絶対に振り向かせる」
陸の目は真剣そのもので、
心はひとつも揺らいでいなかった
自分は京が好きなのだ。
それは誰がどうであろうと変わりはしない。
仮に誰かと付き合っていても、好きでいることは自由なんだ
一番、愛しい人なんだ
「………」
赤音は真剣な表情で彼を見つめていた
自分が見たことのない、陸の表情…
「わかった…応援してやるよ」
ごめん…京ちゃん。と、こころの中でぼやいた
陸のあまりに真剣な目に、
自分自身が彼を心から応援したくなったのだ
誰かのように、自分の心に嘘をつく奴よりも
素直に好きな奴を自分に振り向かせたいと、
おもうやつのほうが自分は好きだ
だから、応援したくなる
誠実な理由だ
だから自分は、陸の背中を押す。
そう心に決めた
「……ありがとう。赤音。」
陸はちょっと照れ臭そうに、
後頭部に手をあて笑った