蒼空Letter

ツナミが4歳になる今年、年中から幼稚園に入れる事にした。


入園式の帰り、3人でファミレスによってさっきのハヤトくんママに言われた話をソウちゃんにした。


「21か22くらいだと思ったみたい。ヤンママじゃあるまいし」


「まぁどう見ても親父は茶髪で母親は耳に何個もピアス開いてたらそう見えるわな」


コーヒーを飲みながらソウちゃんは納得している。

2人ともTPOをわきまえたつもりでソウちゃんはスーツ、あたしは黒に白のドットのワンピースを着てたんだけど、2人でピアスをガンガンしてたら当たり前か。


「ピアス外すの忘れたんだもん。ソウちゃんだって忘れてたじゃん」


「だから周りの親を見て失敗したなぁって思ったんだよ。黒く染めればよかった・・・」


あたしはともかく入園式でソウちゃんは浮いていた。

家の近くの幼稚園に入園させたんだけど、この幼稚園の親は結構年齢層が高いらしい。


ハヤトくんのお母さんも30台半ばだって言ってたし・・・。


「あたし父母会でハブかれないかな?」


アイスティーをかきまぜながらため息が出る。


「そんなに参加しないだろ?距離を置いて付き合えば問題ないって。近所と一緒」


言われても心配な事は心配だ。


「ツナミがイジメられなきゃいいけど・・・」


「ツナミが?」ケタケタと笑っている。


「何笑ってんのよ。親として重要だよ?」


「イジメる方のタイプだろ、コイツは」


ツナミを見るとあたしとソウちゃんが徹夜して作った幼稚園バッグを見て嬉しそうにしている。


(確かにツナミの性格なら大丈夫そうだけど・・・)


それでも親は心配です。

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