蒼空Letter

夜には両家が我が家に来て、ツナミの入園のお祝いをしてくれた。


高柳家からは実用性がありそうな文房具やら泥んこになってもいい様な服が何着も贈られた。

珍しく瑠璃ちゃんもルミも参加してツナミは嬉しそう。

瑠璃ちゃんからは大量のヘアゴムやシュシュ、ピン留め、カチューシャ。

さすが美容室の娘って感じだけど、全部高いので有名なキッズブランドの物。


「これって毎日、あたしがツナミの髪を結べって事?」


「ソウがいるじゃない。そんなのソウにやらせればいいのよ。ルウコちゃんよりは職業柄確実に上手なんだから」


ツナミがソウちゃんパパ、ママからもらった服を見て大はしゃぎした。


「ママー!ト○ロ!!服にト○ロがいるー!可愛いー!!」


幼稚園のスモックの中に着れるキャラクター入りのロンTとスカートを見せる。


「あ、可愛いー。ありがとう、助かります」


「子供の服はすぐ汚れるから安いけどいっぱい買っちゃった」


ソウちゃんママが豪快に笑った。



次は柏木家からのお祝い。


ワクワクしながらツナミが開けるとキョトンとした。


「どうしたの?」あたしも箱の中身を見る。


(だからどうかしてるぞ、柏木家!!)


箱の中身は瑠璃ちゃんと張り合うくらいな高級キッズブランドのバッグ(多分、小学生が使うレベル)、黒いワンピース、リボンのついた靴、おまけにオシャレなベレー帽。確かに可愛いけど、実用性ゼロ!

まさに「お出かけセット」そのまんま。


「ママ、このバッグ幼稚園で使えないよ?」


「だよね?おい、そこのジジィとババァ、あたしは実用性がある物ってお願いしたよね?これ着てどこ行くんだよ?発表会か!!」


「だって可愛かったんだもん」ババァこと「綾乃さん」が口を尖らせる。

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