Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~
ムカッ…。
別にそこまで言う必要なくない?
コイツ、やっぱり性格悪いっ。
「…ああぁっ!!」
「…! なんだよいきなり。うっせぇな…」
あたしが気を失ったのってお昼休みだったはず…。
「今何時っ!? 午後の授業は!?」
あたしって、どれくらい寝てたんだろう。
廊下も全然人の気配しないし……。
もしかして、もう始まってる!?
「安心しろ。まだ授業は始まってねぇよ。後30分くらいだな…」
そう言いながら、高級そうな腕時計を見る。
「そう、良かった……」
桜庭竜哉の言葉に、ホッと胸をなでおろす。
そういえば、この学校。
普通の学校の2倍くらい、昼休み長かったっけ。
昼食でさえ1時間以上の時間をついやす、お嬢様にお坊ちゃん。
それプラス、身だしなみを整えるのにも相当の時間がかかるからね。お金持ちは。
だから、庶民のあたしにとっては長すぎる昼休みなんだ。
「…さてと。紗柚菜の意識も戻ったことだし、俺は昼寝に戻るとすっか」
上にのびながら、桜庭竜哉が立ちあがった。
「え…授業でないの!?」
てか、まだ寝るんかい。
「だって、めんどくさいし。授業になんて出なくても、学年トップは取れるから」
だってって……。
ガキかよ。
しかもあたしが気にしてることを…。
ますます嫌いだ、こんな偽王子。
それに、いつの間にか名前呼びになってるし。