Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~



――紗柚菜side――



さっきから、窓の外を見て何も話さない桜庭竜哉。
しかも、眉間にしわよってるし…。


あたし、なんか不機嫌になるようなこと言ったか?

桜庭竜哉とは真逆に、いつものニコニコ笑顔で運転している小野塚さん。
鼻歌まで歌ってる。


何? このいかにも何かありましたって雰囲気はっ!
小野塚さん、あなた何か言いましたね!?
この悪魔に。


さっきあたしが車に押し込まれた後、なんか二人で話してるような気がしたんだけど…。
桜庭竜哉に聞いても、なんでもないって言っただけで、教えてくれなかった。

で、この状態。
絶対何かあったよね。
何言ったんだ? 小野塚さん…。


それにしても、コイツの表と裏の顔の変わりようってすごい…。
あたしといるときは悪魔なのに、さっきは天使に見えた。
なんでコイツが王子?って思ってたけど、そういうことだったのね。
ファンクラブができるのも納得。


でも、なんであたしには優しくしてくれないわけ?
あたしだっていちよう女の子なんだけど…。


――ズキッ……


「……っ」


…えっ?
ズキッてなんだ、ズキッて!
なんであたし傷ついてんの!?

どこに傷つく要素があった!?


――ズキッ……


まただ…。
何なの? この気持ち…。
心臓が誰かにギューっと握られてるみたい。


最近ホントにどうかしてる…。
あたし、何かの病気だったりして!


……なわけないよね。
何を考えてるんだ、あたしは。





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