Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~



「はい。明美様は古くからの友人だからと、依頼を承諾されてのでございます」



ママこんな豪邸に知り合いいたの!?
しかも友人って……。


ママって一体何者?


「明美様は紗柚菜様が生まれる前、女優をしておりまして、元俳優の旦那様ととても仲良しでございました。よく家に来ては、お酒を飲んでおられまして…。その飲みっぷりは圧巻でございました」



ハハハっと笑いながら楽しそうに話す小野塚さん。


ったくママったらこんな豪邸で恥ずかしいったらありゃしない!
ちょっとは大人しく出来ないのかね。



そうこうしているうちに、庭を抜け屋敷の中へと入って行く小野塚さん。
小野塚さんの後に続き、あたしも屋敷へと足を踏み入れた。



「うっわぁ――!!」



すご――い!!

屋敷の中は予想以上に広く、高級ホテルのようだ。


高い天井はふきぬけになっていて、玄関はあたしの部屋と同じくらいの広さがあった。
あ、もうあたしの部屋は無かったんだっけ?
じゃあ、元あたしの部屋と同じ広さだ!


少し奥へ進むと、薔薇の花がきれいに咲いている中庭が広がっていた。


凄過ぎるんですけど……。
こ、こんなところで働くとか…考えられない……。



「気に入っていただけたようで何よりです! これから住む家ですし、不満があればいつでも言ってくださいね」



「え!? 不満なんてとんでもない…!! ってゆーかあたしここに住むんですか!?」



「はい、住み込みで働くようにと伺いましたよ? あっそうだ! どうぞ竜哉様にお会いになってください! 確か、紗柚菜様と同じ学園ですので…。こちらですっ!」

ひらめいた!っと言うように、ポンっと手を叩く小野塚さん。


「え…? あ、ちょっ…小野塚さん!?」






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