Kiss me prince~意地悪王子と天然メイド~



小野塚さん絶対あたしの話聞いてない……。

どうしよ~。
断り損ねちゃったよぉ……。


しかも小野塚さん、一人でペラペラしゃべってるから、言いだせないし……。




「…さぁ着きましたよ。この部屋に竜哉様がいらっしゃいます」


「あっはい……」



様ってことは、今会う人はきっと偉い人…。
こうなったら、会ってちゃんと断るしかない!!


それが一番いいよね。よしっ!


コンコン――…


「竜哉様、紗柚菜様をお連れしました。今日からここで働くメイドでございます」



だから、ここでは働かないつもりなんだけど……。
しかもメイドって…。



まっいいか。
今から断るんだし。



「失礼します」




小野塚さんが丁寧に伝えた後、ゆっくりとドアを開けた…。



「ああっ!!」


そこにいたのは、あたしの最大の天敵。
学園の王子様だった――……。





< 6 / 34 >

この作品をシェア

pagetop