きゅんきゅん同盟
第1章(教育実習1日目)


長い階段を上ると、そこにあるのが私の母校。


何年ぶりだろう。


この階段を3年間いろんな想いで登った。



友達とけんかしちゃった日も、

告白してフラれちゃった日も。



毎朝変わらず、私を迎えてくれた。


あの頃と何も変わっていない。

大好きだった学校なのに、卒業して一度も遊びに来たことがなかった。



中庭のうさぎも、まだ元気でホッとした。

ここのうさぎは、クローバーが大好きだった。


昼休みに、よく購買で買ったパンとクローバーをあげていたことを思い出す。



高台にあるこの高校は、風が強い日は海の香りがする。


風に乗って、遠い場所からさざなみが聞こえる。





< 1 / 258 >

この作品をシェア

pagetop