きゅんきゅん同盟
第17章(シーソーのような気持ち)


今日も屋上から見える空は私たちを癒す。

今日は曇り空が嬉しかった。

今の私はこの空がいい。

眩しい日差しや、きれいな青い空を見る元気がない。


「私、あきらめようと思う。」

お母さんの作ってくれたお弁当の梅干しを口へ運ぶ。


「え~!!どして??噂になってるから?」


驚いた表情で、私に詰め寄る涼子。


こうして、屋上でお弁当食べる日々ももうあと少し。


「クラスにレナって子がいるんだけど、神崎陸のこと好きみたいなんだ。いろいろ相談とかしてきてくれる。私の事信じ切ってる目を見てると…このままでいいのかなって思う。」


梅干しの酸っぱさが胸まで届いたのか、胸が痛い。


「気持ちはわかるよ。でも、まこも人間なんだよ。教師目指してるからって、神様みたいにならなくたっていいよ。あんなに好きだったじゃん。あきらめられる?」


涼子が私の肩に肩をぶつけた。


確かに、あきらめられる自信…ない。





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