きゅんきゅん同盟
第18章(お墓参り)



その週の土曜日、お父さんのお墓参りに行くことにした。



たった一人で向かう。



ずっと、授業のMDを聞きながら電車に揺られていた。


でも、MDの中身なんて全然頭に入らなかった。



できるだけ、陸のこと考えないようにと思えば思うほど、考えてしまう。


時折、冷たいレナの目が脳裏をよぎる。




家からちょうど1時間程の場所にある墓地。


高台にあるお父さんのお墓は、

いつ来ても気持ちの良い風が吹く。



見晴らしの良いその場所から、小さく見える街を眺めるのが好きだった。



初めてお墓参りに来たときの事を、思い出す。


まるで昨日のように鮮明に思い出すことができる。






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