きゅんきゅん同盟
第21章(長い一日)



今日はとても長い一日だ。


授業もいつもより長く感じるし、教室と職員室の間の廊下も長く感じる。


放課後になり、クラスのみんなの態度はいつも通りに戻った。



「まこたん、本当にごめん。私、助けてもらったのにあんな態度取ってごめんね。」


城山の最低発言の被害者、山瀬さんが謝ってくれた。

他の生徒も、ぎこちなく話しかけてくれる。


「もう大丈夫っしょ?」


龍之介は、何があっても変わらない態度で接してくれる。



さっきの2人のセリフと、態度…演技なのか本気なのか、もうどうでもいい気分になっていた。



あと一週間に迫った教育実習のラストまでに、なんとかクラスのみんなとひとつになりたい。


レナと話したい。


レナだけはまだ頑なに私を避けていた。


陸が私をかばえばかばう程、レナの疑いの目が光る。


だから、陸のさっきの態度は、そんなレナには一番効果的だっただろう。


年上には興味ねぇ…グサリと刺さったまま抜けないよ。



「神崎~~!今日一緒に帰らない?」


レナの声は、明らかに私への挑戦だった。


「あぁ、いいけど。」


陸は、曖昧に返事をした。



レナと一緒に、帰るんだね。

また陸の家に行くのかな。

かえでちゃんと遊ぶのかな。



今日は、私は初めての会議があるから遅くまで残っていなきゃならないんだ。


私と陸は世界が違うんだ。


一緒に帰ろうなんて言うこともできない大きな壁のある関係。


私は実習生。

陸は高校生。




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