コンパスで作る地球



夏期講座が始まる前にこんだけ疲れて大丈夫かよ……私。


とにかく黙って席に座ると教室の前から二人の男子がやってきた。尾田クンと同じ机を共有する人たちみたい。


「えっ何?二人とも付き合ってんの?」


携帯をイジリながらツンツンした髪型の人が話し掛けてきた。


「俺、中沢義和。んでこいつは城戸律。」


ツンツン頭が向ける指の先には真逆のサラサラした長髪の男子が立っていた。


「中沢。邪魔すんなって。」


二人は笑いながら席に着いて私の方向を見てきた。


「そういう関係じゃないから!」


二人を無視して鞄の中から荷物を取り出した。


こういうくだらない会話は一番嫌いだ。冗談だってわかってるけれど馬鹿にされているのが腹が立つ。


「おぉーッ。彼女強いね。男の方はどう思ってんのよ?えっ?」


今度は尾田クンに尋ねる。そうすると尾田クンは私の方向を見て一言。


「そういう関係ってどういう関係?」


至って普通の顔をしている尾田クン。決してふざけているわけではないんだよね?


「ハハハッ。面白いなお前。以外と天然なのかよ。」


ツンツン頭が携帯をポッケに閉まって笑いだした。


尾田クンは天然とかではない。ただ本当にどこかのネジがとれているんだ。



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