コンパスで作る地球



ねぇ。……どうすればいい?


無意識にスカートのポケットの中から携帯を取り出した。


昨日の夜と同じ。画面いっぱいに映る笑顔。


慶太……慶太はどんなに辛いときでも笑ってたんだ。凄く苦しくても逃げられない現実と向き合っていたのに。こんな風に笑えていたんだ。


さすがだよ……慶太。


私はこんなことで涙が出てしまいそうなのに。こんなことで下を向いてしまうのに。


慶太はどれだけ強かったの?


結局真子は2時間目の授業が始まるギリギリに教室へ帰ってきた。だから話す時間なんてなかった。


その授業が終われば1人でまたどこかへ行ってしまった。


3時間目の最初に管野は保健室で休んでると社会の先生が説明したときは驚いた。


そしてそのまま真子が早退してしまったことはショックだった。


一人ぼっち。とにかく孤独だった。お弁当の時間もほかの女子のグループに混ざるのも嫌で誰も居ない屋上でおにぎりだけ食べた。


午後の授業。移動教室の音楽は寂しかった。1人で廊下を歩いて行く。1人のせいか廊下の隅を歩いてしまう。小心者。私にピッタリの言葉。だいたい歌なんて歌ってられない。


そして6時間目の最後の数学の授業はほとんど上の空だった。



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