片思いの続きは甘いささやき
礼服に身を包んだ喬は、それでなくても人目をひく…特に女性に…けれど今整った顔でただ雪美を見つめている姿は普段の何倍もの女性の視線を集めている。
それが気になりながら…
雪美も喬を見つめていた。
ぐっと握りしめた両手は微かに震えていた。
自分の想いをしっかりと伝えきれてなかった寂しさと、喬から感じる冷たさが、体に溢れてくる。
「透子さんを…あんなに優しい目で見つめるくせに…好きなくせに…」
どうして私を抱くの?
雪美が続けようとした言葉は、宴の司会者の声によって遮られた。
マイクを通して聞こえる新郎新婦のお色直しの為の退席。
ちょうど濠と透子が、席を後にしている。
自分達の方にゆっくり向かってくるのに気づいた雪美は、一瞬喬を悲しげに見つめた後足早に会場入口へと向かった。
ピンマイクに何かを告げるその顔は、既にホテルマンの表情。
そんな彼女を強い視線で追う喬は、不完全燃焼の気持ちを抱えながらため息をついた。
泣きそうな顔の彼女…。
年上だからといつも強い自分を見せていた…けれど脆さはばればれであやうい雪…。
濠と同じように呼ぶのに抵抗を感じて『雪』と呼ぶようになった。
濠への想いに気づいても離れる気にはなれない。
ためらいなく喬に抱かれる雪美を、どこか斜めから見ていた。
欲しい女は皆同じ男に惚れていて。
適当に付き合いをもつ女はいた喬にとって、透子への想いとは別に手放せなくなる女が現れるなんて予想外で。
それも…また他の男が好きで。
きつい言葉を言ってしまった事に、自業自得だと思いながらも…溢れかえるやるせなさを吐き出さずにはいられなかった。
「雪…透子とは違うんだぞ…」
まだまだ続く披露宴。
終わるまでには…クールダウンしないとな…。
ちらっと雪美を見て自分の席に戻りながら。
退席する透子と目があった。
ふふふっと聞こえてきそうな笑顔を向けられて、喬の表情も自然と緩む。
ずっと大切に思っていた
透子のそんな様子が、喬には嬉しく思える…。
幸せになれよ。
そう祈る温かい喬の瞳を…
離れていても気づいてしまう雪美は泣きそうに震えていた。
それが気になりながら…
雪美も喬を見つめていた。
ぐっと握りしめた両手は微かに震えていた。
自分の想いをしっかりと伝えきれてなかった寂しさと、喬から感じる冷たさが、体に溢れてくる。
「透子さんを…あんなに優しい目で見つめるくせに…好きなくせに…」
どうして私を抱くの?
雪美が続けようとした言葉は、宴の司会者の声によって遮られた。
マイクを通して聞こえる新郎新婦のお色直しの為の退席。
ちょうど濠と透子が、席を後にしている。
自分達の方にゆっくり向かってくるのに気づいた雪美は、一瞬喬を悲しげに見つめた後足早に会場入口へと向かった。
ピンマイクに何かを告げるその顔は、既にホテルマンの表情。
そんな彼女を強い視線で追う喬は、不完全燃焼の気持ちを抱えながらため息をついた。
泣きそうな顔の彼女…。
年上だからといつも強い自分を見せていた…けれど脆さはばればれであやうい雪…。
濠と同じように呼ぶのに抵抗を感じて『雪』と呼ぶようになった。
濠への想いに気づいても離れる気にはなれない。
ためらいなく喬に抱かれる雪美を、どこか斜めから見ていた。
欲しい女は皆同じ男に惚れていて。
適当に付き合いをもつ女はいた喬にとって、透子への想いとは別に手放せなくなる女が現れるなんて予想外で。
それも…また他の男が好きで。
きつい言葉を言ってしまった事に、自業自得だと思いながらも…溢れかえるやるせなさを吐き出さずにはいられなかった。
「雪…透子とは違うんだぞ…」
まだまだ続く披露宴。
終わるまでには…クールダウンしないとな…。
ちらっと雪美を見て自分の席に戻りながら。
退席する透子と目があった。
ふふふっと聞こえてきそうな笑顔を向けられて、喬の表情も自然と緩む。
ずっと大切に思っていた
透子のそんな様子が、喬には嬉しく思える…。
幸せになれよ。
そう祈る温かい喬の瞳を…
離れていても気づいてしまう雪美は泣きそうに震えていた。