岩内さん、フォーカス!
日が暮れ、文化祭が終わる。

出店や看板が、次々と片付けられてゆく。

ベンチに座り、望は言った。



「…萌。どうだった、最後の文化祭は?」



…最後、か…。

そうか。

もう、こうして、望と一緒にまわることもないんだ…。



鼻の奥がつーんとした。



「…上手く、言葉に出来ないや」

「そっか」



望の肩に頭を乗せる。



「萌…。ありがとう」



なにについてかは、訊かないことにした。



「…後夜祭のフォークダンス、一緒に踊ろうね」

「うん…」





望が向き直る。





「萌」





顔を向けると、唇が触れ合った。





理解が追いつかなかった。





…キスだ。

フレンチ・キス。



顔が赤くなるのが、自分でも判る。





望は顔を離し、微笑んだ。





「これからもよろしくって、言っていい?」





「…うん」





今度はこちらから、唇を合わせた。





「こちらこそ、よろしく」





どちらからともなく、微笑み合った。




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