岩内さん、フォーカス!
「では、僕はこれで」

「あ…」



袖口を掴まれる。



「あの、小日向くん」

「はい。なんでしょう?」

「今日、よかったら、一緒に帰らない?」

「はい。いいですよ」



萌は頬をゆるめた。



「じゃあ、放課後に、また」

「はい。また」



剣道場を出る。



なんで、岩内先輩はわざわざ『一緒に帰らない?』なんて言ったんだろう?

言われなくても、そのつもりだったけど。





…不安だったのかな。

駄目だな。

一応、彼氏なのにな。




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