SWEET BUTTERFLY


「旦那の立場を立てることも知らないのね?!

もういいわっ!!」


そう言うなり一方的に切られた電話に、さすがに我慢の限界。


気がついたら思い切り携帯を壁に投げつけていた。


「なんなのよクソババアっ…!!」



「…ママ?」


隣の部屋で遊んでいた千歌が不安そうな表情を浮かべながらドアの隙間から私を覗いている。


「ママ…怒ってるの?」


脅えた小動物のような眼差しを、何も言えずに黙って見つめ返していた。


「…怒ってないよ?」


そうは言ったものの作り笑顔さえ見せれない私のもとへ小さな体が飛び込んでくる。


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