超短編 『夢』 6
一人が私の顔を上に向かせて、口に筒を差し込んだ。


「はひほふるふあ」

何をするんだと言ったつもりが、筒が差し込まれてるので、言葉にならない。



筒もよく見ると、先にいくほど広い。



「では、最初に酢豚入ります」


そう声が聞こえた途端、筒の中を通って酢豚が流れ込んできた。

もちろん味わう暇もなければ、噛むこともできない。

まして飲み込むなんて。



「酢豚押し込みます」


押し込む?



考える余裕もなく、何かで押されて酢豚がノドに流れていった。


野菜はノドを通り易かったが、豚肉は角切りだったので少し引っ掛かった。




「何をやっているんだ。駄目だ、そんなことでは」


支配人が叫んだ。


支配人さん、助けて。
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