貴方なんて、もう。
鉛のように重たい時計の針がカチカチと刻むごとに、悠也はあたしの家へと近づいているのだと、
そんなことを思いながら
ドアのほうばかりを眺めていた。
───寂しい。
今から行くって言ったんだから、早く来て。
今ならなんでも許せてしまえそうなほど、あたしは壊れていたんだよ。
………ピンポーン
「……悠也」
急いで玄関のドアを開くと、そこには、さっきまで知らない女とヤっていた悠也の姿。
「……っ」