Color



その声色は、とても優しいものだった。

不思議そうにわたしを見てる彰吾。


わたし、最近おかしいのかな。

どうかしてるのかもしれない。


自分でも不思議に思うけど、本当にどうしちゃったんだろう。

今更じゃない、こんなこと。

前からそうだった。別に、今始まったわけじゃない。


「…泣いてるのか?」

悲しくなんかない。

別に、なんでもないのに、どうもしないのに…。

1番悲しいのは、きっと彰吾なのに。



どうして、

「………っ…」



こんなに泣けるんだろう―――…。








< 139 / 309 >

この作品をシェア

pagetop