宇宙系女子高生
「さっ!!電車に乗るぜー!!がったあああん☆☆☆」
電車?

「え?ちょっと、待って。」
ごんっ 背中に顔をぶつけた。急に止まるな。
「ん?なんだい?前世に忘れ物?」
「違う。あんたさ、電車ってさあ、どこまでいくつもりなの?それとも一緒に帰らないかって誘ってたってことなの?帰る方向同じなの?定期とかの都合、こっちにもあるんだけど?」
ああ、なんで私は行く前提で話を進めているんだ。こいつがそうしているからか。
「どこまでかなんて知らんよ。まあ、いきなり異世界に飛べるわけじゃなし。とりあえず近くの町を歩いてみようぜ。
それと、アンタとオレは帰る方向、同じのはずだよ。」

「は?…あんたの帰る方向、私知らない…。なんであんたにそんなことがわかるの?」
「アンタさ、他の子と話すとき、定期入れ可愛いの見せたいからってひょいひょいちらつかせてるからだよ。…それと、一緒に帰りたいのかって質問だけど、それはアンタの自由に解釈してかまわないよ。オレはどっちでも別にかまわない。ならあとはアンタが決めることだ。」

なんて観察力だ。定期の文字なんて隣の席のやつのでもはっきり見えるもんじゃないのに。
というか、見る気なんて起こらないのに

ふっ・・・と悟った。多分、こいつが飽きるまで私は解放されない
なら、適当にお茶を濁すとしよう
それが一番手っ取り早い

ここでそんな気を起こさず手を振り払って罵倒して逃げればこの先の色々なことは起こらなかったんだろう、と思う

…っていうか、対して親しくもない相手に”アンタ”はないだろうに。
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