お迎え

朝から、お腹痛いなぁ。なんだろ?

「千夏チャン、陣痛始まってるね♪」
「ホント?」
「上手くいけば、今日の夕方かな?」
「早く、会いたいな♪」

看護士さんに言われて、あたしは赤ちゃんに会えるという事が分かった。そして、あたしはなんとなく、両親に電話をした。

「あ。もしもし?お父さん?あたしだけど…。」
「千夏か?…久しぶりだな。」
「…うん。」

お父さんの声を聞いてあたしの涙腺は緩んでしまったみたいで、涙が溢れ出した。

「どうした?泣いてるのか?」
「…お、父さん、ご、めっ。あたし、ね?今日、赤ちゃん生むの。」

嗚咽が邪魔して、上手く喋れなくて、カタコトになってしまったけど、お父さんには伝わったみたいで、電話の向こうから、泣いている感じが伝わってきた。

「千夏、おめでとう。どこの病院だ?今から行くから。お前、1人なんだろ?」
「え…お母さんは?いいの…?」
「お母さんは病気治ったんだよ。今から、みんなで行くからな!!」

お父さんはそう言って電話を切ってしまった。でも、すごく嬉しかった。すぐに行くと言われて。ありがとう。
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