そのプレゼント、プライスレス
「誕生日、なに欲しい?」
今までの非礼を詫びるように彼女に問う。
「んー…欲しいものだいたいみんながくれたからなぁー」
引退するまで演劇部の部長をしていた彼女は、部活仲間や他の女友達からそれなりにプレゼントを貰っていた。
「ちょっと考えとくー」
少し思案した彼女は、俺にそう告げて、席を立ち、コーヒーのおかわりを貰いに行こうとしていた。
「あ、俺の分もー」
彼女に空の紙カップを渡す。
「君は女の子をパシリに使うのかっ!?」
声はちょっと怒っているものの、顔は笑っていて、本当に怒ってないのが伝わってくる。
なんだかんだ言いつつも、俺の分のカップも持ってレジまでおかわりに行ってくれた。
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