シャイニング・ジュエリー



芽衣の後ろ姿を、追いかけようと足を踏み出したけど、二歩目が出なかった。


私は悪くない。

もしかしたら、これを期に私にもチャンスが回ってくるかもしれない。



…とか、そんなことを考えている私は、きっと最低なんだと思う。




「……っ。」



でもさ、私の気持ちだって、わかってよ。



何度も劇で抱き合ったのに。
キスだって、したのに。



まるでその事実でさえなかったかのように、去ってしまった芽衣の背中を大介くんは見つめてるから。

悔しいぐらい、芽衣しか見えてないから。



ちょっとした、意地悪な心も湧いてこないわけないじゃん。





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