好きと言えない。―悪魔と恋―【完】
私は母親に毛糸など、赤ちゃんの靴下を作る材料を買いに行って貰った。

遥斗さんの勤務先の学校を知ってた為、仕事中なのを承知で連絡した。



『お待たせしました、武井です』



「お久しぶりです。ひまわりですけど…」



『ひまわりちゃん!?“葛西さん”て聞いてたから、誰かわかんなかった』



遥斗さんは、私と歩斗が別れた事を知ってる筈なのに、前と変わらず接してくれた。



『ちょっと携番を訊いて良いかな?携帯から繋け直すから』



さすがに、職員室で長電話は出来ないんだろう。

遥斗さんは『屋上に行くまで待ってて』と言って、電話を切った。
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