好きと言えない。―悪魔と恋―【完】



2時間後、セットは完了。

払いたくないのか、本気で煙草を吸いたかったのかわからない、言い出しっぺの遥斗さんが外で喫煙中な為、私はパーマ料金を払い、店を出た。

明日、銀行に行かないと千円しかない。

高いし髪の毛は傷むし、パーマはあまり好まなかったのに。

掛けてしまっては、仕方ないし、諦めが付くけど。



「下手…」



諦めは付かなかった。

少しはハサミを入れて、髪の毛に段差をつけてるか、工夫を欲しかった。

私みたいな長さの揃ったヘアーの人間をそのまま外に巻いても、末広がりにしか見えない。
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