あたしは今日も生きている









勘違いしてる滝澤舜に

なんだか笑いがこぼれる。










あたしの家はそんな幸せなもんじゃない。






きっと、この人には分かんないんだろう。









この人は、家族から愛情をもらって生きてきた。








大切な人を失った気持ちなんて


わかるはずがない。















「…帰る」





そう思ったらあたしは、足を玄関に進めていた。









あたしがここに長居する理由なんてない。








「は、ちょっ―…待って。」









玄関の前で捕まれた左手。












「…お前、帰れんのか?


























………ってお前、













この腕…」









「…ッ」








掴んだ左手の傷に気づいたのか


滝澤舜は大きく目を見開かせている。















「…離してっ!!」








あたしは思いっきり手を振りほどき

勢いよく玄関を飛び出した。









< 71 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop