一番近くに君が居る

何に対しての話なのか。
途中からココの中で何かが入れ替わった、そんな気がした。懐かしげに思い浮かべる、過去の記憶からだろうか。今の直哉との関係を、ココはそれと比べてきたと、そういうことなのだろうか。


「それに…やっぱり直哉の事大好きだから、直哉には好きなように生きてもらいたくて」

「…だから直哉のそういう事には口を出さないってか?…結局おまえ、アイツの事…どう思ってんだ?」


翔が尋ねると、ココは俯き加減だった顏をあげ、フフッと小さく微笑んだ。


「わたしが自由を奪うのはね?違うと思うの」


ーーそれは、いつものココからは想像もつかない、とても優雅でいて悪戯っ子のようなーー大人と子どもの境を表したかのような表情だった。

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